2011年5月 今月の星空

日も長くなり、空が完全に真っ暗になるのはほんの7時間程です。暖かくなるのは良いのですが、暗くなる時間が短くなるので星好きには余り嬉しく無い時期になりました。

今年の4月はほとんど降雨が無く、今年もいきなり暖かくなったので、花粉が一挙に飛び出しました。花粉症の人には憂鬱な季節ですが、この花粉の為に太陽の回りにカラフルな花粉光冠が見える事が有ります。花粉が多く飛んでいるときは是非注意して見て下さい。
出来ればサングラスを掛けるとか、手で太陽を遮るなど光線が直接目に入らないように配慮して下さい。

空はすっかりおとなしい春の星座に入れ替わりました。
北斗七星は天頂まで昇り、おとめ座は南中します。その直ぐ下には独特の四辺形をしたからす座が見えています。しし座は南西に傾き、そこには土星も輝いています。更に西にはふたご座が見えています。東の空にはうしかい座、ヘルクレス座、こと座、白鳥座が昇り、夜半過ぎには南東の空にさそり座の頭部が見えてきます。

特に目立った星は有りませんが、ヘルクレス座の散会星団M13おおぐま座の親子銀河M51などが天頂に昇り望遠鏡での観望がし易くなります。

今月の惑星は何所でしょうか?
金星、水星、火星、木星と明るい惑星は太陽の近くに有り、夜明け前の東の空に大集合しているのが見えます。空は既に明るいので、双眼鏡で観望してください。唯一土星だけは一晩中観望出来ます。

北欧のオーロラの季節は終わりましたが、夜光雲の季節もまもなく始まります。条件が良ければ5月下旬頃から見え出しますので、晴れた日は北の空を注意して見て下さい。

5月の天気

5月15日0時頃の空

南の空 北の空

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トピック

11日5時30分 金星と木星が接近(東、高度5度、間隔0.5度)**必見**
23日5時30分 金星と火星が接近(東、高度10度、間隔1度)**必見**
29日4時30分 木星が月に接近(東、高度10度、間隔5.8度)**必見**
31日5時 金星が月に接近(東、高度10度、間隔3.6度)
比較の尺度:月の視直径は0.5度(30分角)

惑星の位置関係についての説明

写真集「惑星ランデブー」

太陽

日出、日没

月出、月没

惑星

今月の
内惑星の位置
外惑星の位置
水星
今月の水星は太陽から離れますが、地平線に近い所を動くので、観望は大変難しいでしょう。
金星
今月の金星は太陽の出が早まると共に高度も更に下がり、夜明け前の空では次第に目立たなくなります。望遠鏡で見る金星は視直径11秒角、日照面は93%と丸く太っています。
火星
2月に合となった火星は次第に太陽から離れますが、明るい夜明け前の空でその姿を見るのは難しいでしょう。
木星
先月上旬に合となった木星は次第に太陽から離れ、中旬以降ならば夜明け前の空でその姿が確認出来るようになります。
土星
先月4日に衝となった土星は、一晩中観望が可能です。
おとめ座の一等星スピカの近くなので、見つけ易いでしょう。
天王星
3月に合となった天王星は出が早くなります。下旬頃には何とか夜明け前の東の空で見つけることが出来ますが、薄明の空では大変暗い惑星なので、観望は出来ません。
海王星
2月17日に合となった海王星は出が早くなり、下旬頃には夜明け前の空で観望出来ます。
冥王星
今月の冥王星は出が早くなり夜半過ぎの東の空で観望出来ますが、暗い星なので、望遠鏡が必要です。

流星群


みずがめ座η流星群 Aquiriids η(ETA)
一時間に50個程の流星を降らすみずがめ座η流星群が4月下旬から5月にかけて活発になります。輻射点のあるみずがめ座は早朝4時頃に南東の空から昇ってきます。

出現期間 4月19日〜5月28日
極大 5月6日15時
出現規模 70個/時間


こと座流星群 Lyrids η(ELY)
大変地味な流星群です。突発的に1時間に5個位の流星を飛ばすこともあります。

出現期間 5月3日〜5月12日
極大 5月10日
出現規模 < 3個/時間