ドイツ中部のライン川左岸、ケルンから65km南西に行った所にアイフェル地方が有ります。
この自然公園の一部の地区(11000 ヘクタール、サッカー場15000分の広さ)は2003年6月にアイフェル国立公園に指定されました。
ここには世界中でも珍しいブナの森が有り、2008年12月現在930種もの絶滅寸前の動植物が生息しています。

この地区の歴史は約4億年前のデヴォン紀から始まります。当時は未だ海底だった所に砂岩、粘板岩などの堆積岩が、又サンゴ礁から石灰岩が形成されました。
60万年前位から海面が起伏し火山活動が始まりました。とは言っても日本の様にあちこちに大火山がそびえ立っている訳では有りません。
現在アイフェル地方には350程の火山痕が有りますが、最も高いものでホーエ・アハト山の747m程度です。

この地方での最も特徴的な火山活動はマール湖です。
アイフェルの目と言われるこの湖は約50個程散在します。
火山口に水が溜まるカルデラ湖とは異なり、地表まで来たマグマが地下水を加熱して爆発させ、ラッパの様な火山口を作ります。
そこに地下水が溜まりマール湖となるのです。
大規模な火山活動は約1000年程前にさかのぼりますが、又近い将来にはその活動を再開するようです。火山活動が活発であったにもかかわらず、
火山独特の玄武岩より堆積岩にお目にかかる事が多いのは大変不思議に思えます。
人が定住し始めたのは約5千年前、強度のある堆積岩を住居の建材として使用しました。
今では古代人の住居跡ばかりでなく、中世に立てられた約140もの古城も残っています。

アイフェル見取り図